「体に蓄積されやすいのはオリープ油? サラダ油?

オリーブは歴史的にもっとも古くから食べられてきた食品の一つ。

古代ギリシャ時代、すでに食用として用いられていたのです。

 

オリープ油は地中海沿岸の料理に欠かせませんが、健康的な油であるとして、日本でも人気が高まってきています。

それだけに、その成分がどのようなものであるか知っていることも必要だと思います。

オリーブ油の脂肪の構成脂肪酸は、主としてオレイン酸。

オレイン酸は、コレステロールを取り除く働きをする不飽和脂肪酸の一種ですが、不飽和の部分は一カ所です。

不飽和脂肪酸には、よく知られているリノール酸やDHAなど多くの種類がありますが、オレイン酸のように不飽和の部分が一個というのは他にはほとんど存在しません。

さらに、不飽和脂肪酸でありながら、不飽和の部分が少ないので、酸化しにくいという利点もあります。

また、体内に貯蔵されることは少なく、エネルギーとして消費されやすい。

脂肪酸の中でオレイン酸のような一価不飽和脂肪酸は、パーム油に多いステアリン酸や、肉などに含まれるパルミチン酸のような飽和脂肪酸、リノール酸やDHAなどの多価不飽和脂肪酸、それぞれ一に対して1.5の比率でとるようにと日本人の栄養所要量で指示されて飽和脂肪酸は定期預金のように体内に蓄えられ、皮下脂肪などとして貯蔵されるのに対して、多価不飽和脂肪酸は、体内で各種の化学反応にかかわる一方で酸化しやすいため、酸化を防止するようなビタミン類をとることが必要なのです。

その点で、不飽和脂肪酸ではありますが、安定していて体内にたまらないオレイン酸のようなものを中心に食べることが望ましいのです。

 

ところで、オリーブ油が安定していて酸化しにくい証拠として、赤ち ゃんの皮膚につけても安全なことがあげられます。

もし、赤ちゃんの皮膚にサラダ油などを塗録ったとすると、しばらくすると炎症を起こして腫れてきます。

これは、脂肪が酸化して肌を刺激するからなのです。

オリーブ油は酸化しにくいので何も起こりません。

この酸化しにくい性質は、加熱するには都合がよいのです。

揚げ物なども からりと揚がるし、妙め物をしてもべたつきません。

油は加熱すると酸化して粘性を増すものが多いですが、オレイン酸の多いオリーブ油は、加熱による酸化が起こりにくいのです。

なお、揚げ物の場合、200度程度に温度を上げた方がからりと揚がるようです。