女の人生「四つの太りどき」とは?

女性の一生には、体が勝手に太ろうとする「太りどき」が4回あります。

「思春期」「妊娠・出産期」「中年期」「閉経後」

この四つの時期、体の要求、体の機能の衰えで、「食事でとるエネルギー」が「体を動かして消費するエネルギー」を、大きくオーバーします。

これが「太りどき」です。

 

最初の太りどきは、10代前半から後半にかけての思春期。

丸みをおびた女性らしい体つきになるために、体が体脂肪を要求します。

女性ホルモン(エストロゲン)の働きで、腰周りやお尻、太ももなどの下半身に皮下脂肪がつきます。

この時期は背が伸び、体重も増える成長期でもあるので、よく食べるようになります。

このように、この時期は、必要以上に脂肪がつきやすい体になります。

 

20代は、就職、結婚などの生活環境の変化もあり、体が不安定な状態になります。

また、妊娠に備えるために、エネルギーを溜め込みやすい体になっていきます。

こうして次の太りどき、妊娠·出産期、そして授乳期を迎えます。

妊娠中は、胎児に栄養を与えようと食欲が旺盛になり、摂取エネルギーが大幅に増えて脂肪が蓄えられます。

また、冷えや外部の衝撃から子宮を守るために、とくに下半身に皮下脂肪を必要とします。

授乳期も、やはり同じです。

同時に運動不足になりますから、基礎代謝力は想像以上に落ち込んでいます。

出産後、太った体が戻らなくなり、これを機に、その後はひたすら肥満の一生を歩む人が少なくありません。

 

肥満は、脂肪を蓄える脂肪細胞のサイズが大きくなって起こります。

ダイエットで脂肪細胞を通常のサイズに戻せますが、食事制限や過激な運動でのダイエットはおすすめできません。

出産直後・授乳期の体を考えると、体をいたわる意味でも、まず、基礎代謝力を徐々に上げていくことをすすめます。

最初と2回目の太りどきは、「脂肪を蓄えなければ」という体の要求に、基礎代謝力の低下という老化現象が重なって起きています。

 

女30~60代が「太ってはいけない」理由

10代(思春期)

溜まる脂肪・・・皮下脂肪

主な理由

・女性ホルモンの増加

・下半身に脂肪がつく

・成長の一過程として必要

20代(妊娠・出産期)

溜まる脂肪・・・皮下脂肪

主な理由

・妊娠·出産に備えてエネルギーを溜め込みやすくなる

・下半身に脂肪がつく

・妊娠·出産のために必要

30代半ば~40代半ば(中年期)

溜まる脂肪・・・内臓脂肪(絶対に脂肪をつけてはいけない!)

主な理由

・基礎代謝力の低下

・女性ホルモンの分泌量の低下

・脂肪が、お尻からお腹に移る

40代半ば~60代半ば(閉経後)

溜まる脂肪・・・内臓脂肪(絶対に脂肪をつけてはいけない!)

主な理由

・ホルモンバランスの乱れ

・生活環境の変化(時間的・経済的ゆとりができて、ぜいたくが許される)

・心肺機能の低下

・運動量の低下

 

基礎代謝力は10代半ばをピークに、どんどん落ちていっているからです。

体脂肪の溜めすぎは、老化を一気に加速させます。

それも、「内臓脂肪」には要注意です。

第3次の太りどきは、中年に仲間入りする40歳前後です。

30代半ばを過ぎるころから、食事の質と量が30歳前後のころとあまり変わらないのに、基礎代謝力が落ち、摂取エネルギーと消費エネルギーのパランスが大きくくずれます。

とり込んだエネルギーを、十分に使い切れなくなるのです。

余分な摂取エネルギーは皮下脂肪として、おもに下半身に蓄えられてしまいます。

 

このころ、女性ホルモンの分泌量も減りはじめます。

皮下脂肪がたっぷりついた体は、別の貯蔵場所を求めて、小腸をつなぐ腸間膜や大網(腹膜のひだ)に体脂肪をつけます。

体脂肪のつく場所が、お尻からお腹に移るのです。

これが内臓脂肪です。

女性ホルモンには、内臓脂肪をつけにくくする働きがあります。

その女性ホルモンの分泌量が低下するのですから、「待ってました」とばかりに、体脂肪はお腹に溜まってしまいます。

基礎代謝力も落ちているので、なおさらです。

基礎代謝力と女性ホルモンの分泌の低下によって起こる肥満が、「中年太り」なのです。

 

女性の一生、最後の太りどきは、閉経後。

50歳前後は、閉経を迎える時期。

その前後の10年間ほどが、更年期にあたります。

更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、閉経後はほとんどなくなります。

閉経後の肥満は、ホルモンバランスと生活環境にその原因があります。

妻であり母であれば、子どもが独立する年代。

経済的にも時間的にもゆとりが生まれ、好きなものを食べたり、ぜいたくな食事をしたりする機会が増えます。

その一方で、心肺機能が低下します。

運動量も極端に減り、皮下脂肪も内臓脂肪も、たっぷりつきます。

中年期、更年期での肥満は「内臓脂肪」によるもので、お腹がポッコリ出てくるケースが一般的です。

このように、10代は、まさに「太りやすく老けやすい」時期です。

とくに中年期、更年期での肥満は、内臓脂肪を溜め込みます。

絶対に、脂肪を溜めてはいけない太りどきなのです。