料理をきちんとつくる人は人間関係もおろそかにしない

たとえば、冷や奴という簡単なメニューでも、豆腐、醤油、ショウガ、かつ お節、ネギなど、いろいろな材料を使います。

中華風や洋風の味付けを試してみるのもいいでしょう。

もっと材料を増やしたり、アレンジしたり、工夫すれば、その分オリジナリティーのある冷や奴ができます。

工夫するということは、ていねいな気持ちで取り組むということなのです。

人は料理にしても、仕事にしても、趣味にしても、そして恋愛にしても、いつのまにか「こういう場合はこういうふうに対処する」というパーターンが頭の中にでき上がってしまっているものです。

そしてそのやり方があまりにも当たり前になっていて、別の方法もあると気づかなくなっている…。

そんなことはありませんか?

または、自分を既成概念に閉じ込めてしまって、その枠からはみ出さないようにしていませんか?

つきあいはじめた頃、彼女がつくるシンプルな料理。

ありあわせの材料でつくるみそ汁とか、キンピラとか。

そんなシンプルな料理は、とてもおいしく感じるものです。

ていねいにつくられたシンプルな料理は、仰々しい華やかな料理よりも人気の気持ちをつかむものなのです。

なぜならば、シンプルであればあるほど、気持ちという味付けが際立つからです。

ていねいさが際立つからです。

 

「当たり前のこと」をどれだけ大切にできる?

いつも目の前にいる人を大切にする。

いつも食べるみそ汁をていねいにつくる。

いつも過ごしている部屋をきれいにする。

慣れてしまったことも、最初と変わらない気持ちでできることが愛情の表われだと思います。

 

しかし、ついつい見逃してしまいがちなのが、自分という存在です。

世の中があまりにも速く進んでいるせいでしょうか。

当たり前の自分。

ここにいて当然の自分。

自分という存在をついないがしろにしてしまっています。

でも、基本中の基本は自分です。

自分自身が幸せにならなければ、他人を幸せにすることはできないのです。

自分がうれしいから、他人が喜ぶ環境をつくれるのです。

料理でいえば、一番シンプルな料理があなただということです。

あなたが自分をどう料理するかで、ほかの人気たちがどれだけ満足できるかも変わるのです。

 

その原点が、まずしっかりと自分を見つめることです。

自分自身をよく観察しましょう。

癖や歩き方や、人に接するときの態度やし ゃべり方、目の形や唇の特徴や呼吸をするときのリズム。

一番長く一緒にいる自分のことをあなたはどれだけ知っていますか?

自分の足の裏をしっかり見たことがありますか?

あらためて見つめてみると、意外にも知らないことがたくさんあって、自分が他人のように思えませんか?

でもそういうものです。

10人のうち9人まではそうだと思います。

 

自分をていねいに見つめることが、恋愛にとってとても大事になります。

シンプルな料理をていねいにつくれる人は、自分自身をよく知っている人だと思います。

なぜなら、基本的なこと、当たり前のことを大切にできる人だからです。

男はそんな女性に安心感を覚えるものなのです。

 

よくよく考えてみると、恋愛はたった二人の人間関係です。

まったくシンプルな人間関係です。

それなのに、人は必要以上に難しいもののように考えて、どんどん面倒な問題をつくり出していきます。

その原因は、いつも相手が目の前にいることが当たり前になり、ていねいさを失っていくことなのです。

これから恋愛をする人も同じです。

二人だけのシンプルな関係をつくろうとしているのに、大げさに複雑にあれこれ考えてしまうから、前に進めないのです。

もっと気をラクにしましょう。

シンプルな料理をつくるときと同じように、自分という材料をよく知り、相手との関係をていねいに扱っていくことが大切な気のです。