納豆を食べる時間は何時ぐらいが望ましい??

 

納豆は、水に浸して十分に吸水させた上で煮た大豆を適度に冷やし、納豆菌の入った水溶液をかけて発酵させたものです。

納豆菌は繁殖する際にいろいろな物質をつくり出します。

その物質の一つに、血液の凝固性を低めてくれる、大変優れた物質があります。

これはナットーキナーゼと呼ばれる物質で、納豆を食べてから約7~8時間、体内でその力が残存しています。

 

ところで、血液が凝固して血栓ができ、それが血管に詰まって起こるもっともおそろしい病気として、心筋梗塞や脳梗塞があります。

これらは早朝に起こりやすといわれています。

そこでこれらを予防するには、納豆を朝ではなく、夕食に食べればよいとのことです。

そうすれば翌朝までナットーキナーゼの力が体内に残って、血液の凝固を防ぐことになるのです。

習慣で朝、納豆を食べる家庭が多いようですが、ナットーキナーゼの働きが分かった以上、ぜひ納豆は夕食に食べていただきたいものです。

 

ところで、地域性にもよりますが、納豆のねばねばが嫌いな人も当然います。

しかし、このねばねばは、とくにナットーキナーゼの働きとは関係がないので、ねばねばの感じをなくす料理の工夫をしてみるといいでしょう。

たとえば、納豆にてんぷらの衣をつけ、さっとかき揚げにすれば、ねばねばした感じはなくなります。

てんぷらの衣が、納豆に強く熱がかかるのを防ぐから、ナットーキナーゼは変化しません。

また、バターで簡単に表面を妙めても、ねばねばはなくなります。

また、納豆菌は、その強力な酵素で大豆のタンパク質を一部分解するとともに、ビタミンB2などを合成します。

乾燥物に換算して比較すると、生の大豆にくらべて納豆ではビタミンB2の量が5倍になっているのも納豆の特性なのです。

ただ、気をつけねばならないのは、心筋梗塞の治療中で、血液凝固防止の薬を投与されている場合には、薬の効果がなくなるという例があるのです。

また、納豆の中の納豆菌は生きているので、温度が高いと発酵が進みすぎて、アンモニアの匂いやその刺激も加わり、風味が大きく低下するから、必ず十分に冷やして保存することが必要になります。

長期に保存するときは、冷凍するのがよいでしょう。

冷凍しておけば数カ月保存してもあまり風味には影響しません。

ただし、冷凍庫は乾燥が激しいので、水分を取られないように、ラップなどでぴったりと包んでおいた方がよいでしょう。

冷凍したものは、冷凍庫から出して室温におけば、自然に解凍して元の状態に戻ります。