「体を温める」と女は老けにくくなる

基礎代謝力が弱い人は、体温が低い。

健康な人の体温は36度台で、第36.8度が平均です。

ところが最近は、35度台の低体温の人が増えています。

 

健康的な体温からほんの1度下がるだけで、基礎代謝力は、じつに12パーセントも低下してしまうのです。

仮に平熱36.5度の40代女性(体重、基礎代謝量ともに40代の平均)の体温が35.5度になった場合、基礎代謝量は、一気に138キロカロリーも下がります。

これはほぼ大福1個に相当するカロリーです。

言い換えれば、毎日、大福を1個よけいに食べていることになります。

1ヵ月で約580グラム太ります。

だから低体温の人の体は、「太りやすく、老けやすく」なります。

体温は、内臓の温度です。これが適温に保たれていると、体の機能が正常に働くようになっています。

 

基礎代謝力を下げる以外にも、低体温は、体にさまざまな悪影響を及ぼします。

免疫力と新陳代謝の低下も、その一つ。

免疫力は、わかりやすく言うと、病気にかからないための抵抗力です。

病気にかかった場合、それに打ち勝つ力でもあります。

新陳代謝は、体に必要なものをとり入れて不要になったものを排出し、新旧の入れ替えをする働きです。

基礎代謝力が落ちるだけでなく、免疫力、新陳代謝が低下することで、低体温は 「老けやすい体」をつくってしまうのです。

 

低体温の一番の原因は、食生活の乱れ。

なかでも野菜不足が大きく関係しています。

体はごはんなどの糖質からエネルギーや熱をつくり、体温を保ちます。

糖質からエネルギーに変えるとき、ビタミン・ミネラルを必要とします。

しかし、野菜をあまり食べないとビタミン・ミネラルが不足してエネルギーや熱がつくれなくなり、体温が上がらなくなってしまうのです。

まず、摂取した糖質をきちんとエネルギーに変えられるように、毎日、野菜をたっぷりとりましょう。

野菜の多くはビタミンやミネラルの宝庫です。

また、体を温める食べ物や飲み物も、積極的にとるようにしましょう。

 

中医学(中国の伝統医学)では、森羅万象を「陰」と「陽」に分け、そのバランスを重要視しています。

陽は「動」で、活動や熱の象徴。陰は「静」で、休息や寒さを意味します。

陽が過ぎれば、体はほてり、喉が渇きます。

また、イライラ感がつのったり、不眠になったりします。

陰が過ぎれば、体はエネルギー不足になり、活力が乏しくなります。

また、冷えたり、顔色が悪くなったりします。

低体温の人は、陰の体質です。

 

食べ物も同様で、体を温める「陽の食べ物」と、冷やす「陰の食べ物」があります。

冬、あるいは寒い地方でとれるものに陽の食べ物が多く、夏、あるいは暑い地方でとれるものに陰の食べ物が多いようです。

ただし、体を冷やす陰の食べ物でも、煮るなど熱を加えることで、体を冷やす作用を弱めることができます。

陽の食べ物といっしょに食べるのも、その作用を弱めます。

逆に、陽の食べ物は、冷たくすると陰性化します。

これらの知識も毎日の食生活に活かし、内側から体を温めていきましょう。