「いつの間にか老ける女」「一気に老ける女」見分け方

40代以降の女性が進む老化の道は、大きく三つに分けられます。

「いつの間にか老けている人」

「一気に老け込む人」

「ずっと若い人」

の三つです。

第一の道は、「いつの間にか老けている人」。

この老化タイプは、歳を重ねるにしたがって、体の内外に徐々に老化現象が現れます。

第二の道、「一気に老け込む人」は、ある時期に外見の変化、体力の衰えがドッと現れるだけでなく、糖尿病、高血圧、動脈硬化といった生活習慣病をともなうことが少なくありません。

もっとも危ない老け方です。

このどちらの老化タイプにもおちいらず、第三の道、「ずっと若い人」になるには、今のうちから自分の老化タイプを知り、まず基礎代謝力を上げることからスタートします。

 

女性がはじめて自分の老いを意識するのは、おそらく40歳前後でしょう。

「私もとうとう三十路越えか・・・」とため息をつく女性も、多いことと思います。

32歳のAさん(身長160センチ·体重58キロ)も、その一人です。

ここで、Aさんの体の老化タイプを出してみましょう。

現時点での老化タイプがわかると、40歳前後を迎えるころの彼女の体も予想がつきます。

この先どうやって「ずっと若い体」をつくっていけばいいかが、ハッキリわかるということです。

 

老化タイプは、基礎代謝力で判定します。

基礎代謝力とは、「体重1キロあたりの基礎代謝量」。

基礎代謝量を体重で割って求めます。

基礎代謝量や体脂肪率(体に占める体脂肪の割合)を測れる体重計(体組成計)を使います。

体組成計がなければ、「年代別の平均基礎代謝量」(『日本人の食事摂取基準」厚生労働省)を用いた計算式で、おおよその目安をつけることができます。

たとえばAさんの場合だと、次のようになります。

 

まず、30代(平均体重キロ)の平均基礎代謝量1150キロカロリーをAさんの体重58キロで割ると、Aさんの基礎代謝力は19.8キロカロリーとなります。

これを基礎代謝基準値(平均体重1キロあたりの基礎代謝量 =基礎代謝力)と比べます。

平均体重の人の基礎代謝力に比べて、Aさんの基礎代謝力がどのくらいかを見るのです。

30代の基礎代謝基準値は21.7キロカロリーですから、Aさんの基礎代謝力19.8キロカロリーは、30代の基準を大きく下回り、70代以上の基礎代謝力にあたります。

Aさんの体年齢は、70代以上ということです。

ちなみに、基礎代謝量は「年代別基礎代謝基準値×自分の体重」の計算式でだいたいの見当がつきます。

この計算式だと、Aさんの基礎代謝量は1259キロカロリー(21.7×58)

計算式で求める基礎代謝量は、体重が年代別平均体重を上回れば上回るほど多くなり、基礎代謝力は低い数値が出ます。

逆に、体重が年代別平均体重を下回れば、基礎代謝力は高い数値が出ます。

計算式で求める数値は、あくまでも目安である、と理解してください。

 

しかし、実際の基礎代謝量、基礎代謝力は同じ年齢、同じ体重でも、たとえば体脂肪が多いか少ないかなどの条件で変わります。

体重が平均体重を上回っていても、体脂肪が少なければ、基礎代謝力は年代別の基礎代謝基準値より高くなります。

また、やせていても、体力不足や健康障害など体に何らかの変調があれば、基礎代謝力は低くなります。

体組成計は、アンチエイジングに心を配る人にはぜひ持ってほしいアイテムです。

できれば、体組成計で筋肉と脂肪の分布を調べるのもいいでしょう。

Aさんは、体組成計でも、ほぼ同じような数値が出ています。

自分の基礎代謝力の数値が、年代別の基礎代謝基準値を少し下回るくらいならば、「いつの間にか老けていく」タイプですが、30代の基準値をはるかに下回って70代以上のレベル。

Aさんの老化タイプは、「一気に老け込む」タイプだと言って間違いないでしょう。

 

このままいけば、Aさんの体は中年の仲間入りをするころ、老化現象が同時多発し、健康障害が起こる可能性も大、と推測できます。

したがって、Aさんが「ずっと若い体」になるためには、今すぐにでも、基礎代謝力を上げる習慣を、どんどんとり入れる必要があります。

他方、そろそろ更年期だからと健康に不安を覚えるBさん(45歳・身長155センチ・体重48キロ)のケースを見てみましょう。

Bさんの基礎代謝力は、体組成計で測定したところ「1100÷48=22.9」と出ました。

これは20代、それも10代に近いレベルですから、Bさんの体は「ずっと若い体」と言えます。

基礎代謝力のレベルがこのままなら、Bさんは更年期を迎えても、実年齢より10歳も20歳も若い体が期待できるでしょう。

といっても油断は禁物です。

現在の水準を維持するためにも、基礎代謝力を上げる習慣をつけておくに越したことはありません。

まずは自分の体を知ること。

これが、老いを食い止め、「ずっと若い体」をつくる基本です。