トイレが近い?!まめに行きすぎるのはひょっとしたら・・・

頻尿に悩む女性が増えています。

ひどくなると、夜中にトイレで何度も目が覚めて不眠になる、トイレのことが心配で長時間の外出をためらってしまうなど、症状は深刻です。

また、頻尿であるのに、そのことに気づいていない女性も案外多いようです。

トイレの間隔は3~5時間あくのが普通で、昼5~7回、夜0~1回が標準です。

昼8回、夜2回以上になると頻尿といいます。

2時間もたたずにトイレに行っているのに、それが普通だと思っている人もいますが、それは普通ではなく頻尿です。

頻尿の原因はさまざまですが、最近特に増えているのが、過活動膀胱と呼ばれるものです。

 

通常、成人では膀胱に400~500㎖の尿をためることができるのですが、過活動膀胱では100ml程度の尿がたまると膀胱が収縮して尿意をもよおします。

1時間もたたずにトイレに行きたくなったりするので、日常生活に多大な支障をきたします。

トイレに行こうとしても我慢できず漏れそうになったり(尿意切迫)、実際に漏らしてしまうこともあります。

40代以上の人の12.4%程度に過活動膀胱の症状があると、日本排尿機能学会の調査で報告されています。

過活動膀胱の原因としては加齢のほか、脳梗塞、男性では前立腺肥大などがありますが、原因不明の特発性のものが一番多いのです。

 

過活動膀胱の治療としてはまず、膀胱訓練といって、トイレを我慢することから始めます。

小さくなってしまった膀胱をストレッチするイメージで, 5~10分でもいいので、気をまぎらして、トイレに行くまでの時間をのばしてみます。

2時間半くらいまでのばすことを目標に。

もちろん、必要以上に水分をとらないことも大切です。

のどが渇いてもいないのになんとなくお茶などを口にする人がいますが、それによってトイレが近くなり、膀胱を刺激してしまうのです。

水分は、のどが渇いたときに、温かいものをゆっくりと飲みましょう。

冷たいものとカフェインは、トイレが近くなるので控えましょう。

 

また、骨盤底筋群を鍛える体操もしてみましょう。

これは本来、GSMによる尿漏れを改善するためのものですが、過活動膀胱にも有効です。

あお向けになって肛門から尿道、膣のあたりをキュッと閉めるイメージで8秒間くらい力を入れます。

10回を1セットとして、1日3~5セットが目標です。

座っていても立っていてもできるので、毎日の習慣にしてみましょう。

 

重度の過活動膀胱の場合は薬物治療が必要になるので、泌尿器科を受診しましょう。

女性の頻尿の原因としては急性膀胱炎もよく見られます。

菌が膀胱に入って炎症を起こすもので、今トイレに行ったばかりなのにまた行きたくなる、残尿感がある、排尿の途中に焼けるような痛みがある、尿が濁るなどがその症状で、ひどくなると血尿が出ることも。

 

膀胱炎の原因としては、トイレを我慢してしまうことがよく知られています。

仕事などで長時間トイレに行けないと、膀胱がのびすぎてそこから菌が侵入して膀胱炎を起こすのです。

膀胱がパンパンになるまで我慢しないように気をつけましょう。

ただし膀胱炎を恐れて必要以上に頻繁にトイレに行きすぎると、膀胱が刺激されて頻尿になってしまうことがあるので、行きすぎも禁物です。

200ml以上膀胱にためてから行くように、意識しましょう。

 

性行為後に膀胱炎になる人がいます。

膣と尿道は近いので、セックスのときに尿道がこすれたり傷ついたりして、菌が入るのです。

セックスの前に洗って清潔にし、また行為のあとに排尿するようにすると予防できます。

排尿によって菌が尿道から洗い流されるからです。

 

GSMに伴う膀胱炎もあります。

閉経後は膀胱粘膜が萎縮して薄くなり、菌が入りやすくなるのです。

レーザーなどでGSMを治療することで、閉経後の膀胱炎を予防できます。

 

便秘によって頻尿になることもあります。

腸がふくらんで、膀胱を圧迫するからです。

また、子宮筋腫などの骨盤内の腫瘍で圧迫されて頻尿になるケースもあります。

その他、間質性膀胱炎といわれる原因不明の慢性的な膀胱炎や、まれですが膀胱がんで頻尿になることもあるので、頻尿が続くときは泌尿器科で検査を受けましょう。

検査しても異常がない場合、心因性の頻尿といわれます。

早め早めにトイレに行こうとする女性は多いもの。

タイミング悪くトイレに行きたくなったら困るからと早めに行ってしまったり、尿を我慢すると膀胱炎になるのではと心配するために早めに行くなどのケースが多いのですが、なかには「特に理由なく」行くという人もいます。

トイレに行きすぎると膀胱がそのペースになってしまい、頻尿になることがあります。

ある程度膀胱にためてから行くように、習慣づけましょう。

 

女性の頻尿の中には、単に水分のとりすぎである人が一番多い印象があります。

病気ではありませんが、毎日のように水分をとりすぎてトイレに通っていると、そのクセがついて頻尿になります。

水分はのどが渇いたときにとれば十分であり、3時間間隔くらいで尿が出ていれば、脱水の心配はありません。

「水は飲めば飲むほどいい」というものではないのです。