安易にムダ毛処理していませんか?

後々、大変なことになります!

まず、「肌に悪くない除毛はない」ということを心得ておいてください。

毛を剃ったり抜いたりすることは、どうしても肌を傷つけ、負担をかける行為です。

毛をそのまま生やしておくのが一番自然で健康な状態なのです。

そうもいかないので処理をすることはやむをえないとしても、除毛は肌に負担をかけているということを常に、頭においておきましょう。

除毛には大きく分けて、剃ると抜くの2種類があります。

それぞれ一長一短ありますが、剃るほうがまだ負担は軽くてすみます。

 

目次

ムダ毛の処理の特徴とよく報告されるトラブルを見ていきましょう

①ムダ毛の処理~剃る

●特徴

最も手軽で一般的な方法。

電気シェーバーとカミソリの2種類があり、それらを用いて毛を根元でカットします。

電気シェーバーは刃が直接肌にあたらない工夫がされていますが、その分、深剃りはできません。

カミソリで逆剃りをすると深く剃れますが、肌への負担も大きくなります。

●トラブル

《カミソリ負け》皮膚の表面は完全な平らではなく目に見えない凹凸があるので、刃をあてると、小さな切り傷が無数にできます。

そこから炎症を起こすと赤くなってかゆみを持ち、カミソリ負けと呼ばれる状態になります。

《毛嚢炎(もうのうえん)》カミソリ負けから、化膿してニキビのようになったもの。

《炎症性色素沈着》化膿したところや、かゆくてかいた傷からシミになったもの。

 

②ムダ毛の処理~抜く

●特徴

毛根の部分で、毛を皮膚からちぎることになります。

ちぎった部分は傷つくので、ダメージは大きいといえるでしょう。

毛抜き、家庭用脱毛器、ワックスなど、さまざまな道具がありますが、いずれも抜いていることに変わりはありません。

●トラブル

《瘢痕化(はんこん)》抜いたときにできた傷は、いずれなおっていきますが、なおったところをほた同じように抜いて傷つけて……ということを繰り返すと、傷ついた部分が瘢痕というかたい皮膚になってしまいます。

よって、長年にわたって毛を抜き続けると、肌がボツボツした鳥肌のようになることがあります。

《埋没毛》毛穴の出口が瘢痕化してかたくなると、のびてきた毛がうまく外に出られず、中にもぐったままとぐろを巻いて「埋没毛」と呼ばれる状態になることがあります。

そこから化膿して毛嚢炎になったり、色素沈着になることもよくあります。



ムダ毛の処理のトラブルを最小限におさえるにはどうすれば?

皮膚も毛も、ケラチンというタンパク質でできています。

よって、ケラチンは、温度が低いとかたくなり、温めるとやわらかくなります。

除毛をする前にその部分を温めるといいのです。

かたいまま剃ったり抜いたりすると、より肌を傷つけやすくなります。

庭の草むしりをすることを考えてください。

やわらかい草はスルッと抜けますが、かたい草を抜けば土が荒れます。

それと同じことです。

また、毛穴の中には雑菌がたくさんいるので、除毛前に洗って清潔にしておくことも大切です。

石鹸で洗えば十分な除菌になります。

洗うことと温めることを考えると、お風呂の中で除毛すると好都合ということになります。

浴槽かシャワーで温まったら、除毛部位を軽く石鹸で洗い流し、再度石鹸をつけて剃ればいいのです。

抜くことは基本的におすすめしませんが、どうしても抜くという場合は、お風呂あがりにすると負担は少なくなります。

よく、「お風呂場は不衛生だから、入浴中の除毛はNG」という人がいますがお風呂場が不衛生であるかどうかは、その家によります。

換気と掃除が行き届かずに、床の隅にカビが生えているような浴室では、除毛はしないほうがいいでしょう。

 

もうひとつ、別のオプションとして「除毛クリームでとかす」という方法があります。

これは、クリームにかぶれなければ、悪い方法ではありません。

肌を傷つけないからです。

ただし、肌に傷や湿疹があるときは行わないように。



除毛によるトラブルは非常にやっかいなものです

傷やシミをたくさんつくっても、病院にさえ行けばなおると思っている人が多いのですが、そういうものではありません。

ときには、完全にもとの肌には戻らないこともあります。

車を運転してあちこちこすってしまい、傷だらけにしたら、修理に出しても完全に新車のようには戻らないこともあるでしょう。

「傷つけてもなおせばいい」と思ってこする人はいませんね。

慎重かつ丁寧な運転が必要です。

毛をなくすことだけ考えて、肌へのいたわりを忘れている人が多いのですがそれは,先へ進むことだけ考えて乱暴な運転をするようなものです。