赤ら顔に似た脂漏性皮膚炎の区別について
カサカサ感やかゆみがまったくなくて、肌の表面は正常なのに赤みだけが気になるという人の場合、脂漏性皮膚炎ではなく、いわゆる赤ら顔です。
赤ら顔は、皮膚の下の血液が透けて見えやすくなっている状態で、皮膚が薄い、血管が開いているなどのために赤く見えるのです。
皮膚が薄いのはある程度生まれつきのものですが、スキンケアのときにこすりすぎて薄くなってしまうこともあるので注意しましょう。
また、血管が開く原因には以下のようなものがあります。
① 昔できたニキビや皮膚炎の影響
ニキビや脂漏性皮膚炎、アトビー性皮膚炎などのために皮膚が炎症を起こすと、血管が開きます。
その状態が慢性化して長く続くと、血管が開いたまま残って赤ら顔になってしまうことがあります。
特に、かゆくてかいてしまうと赤くなりやすいので注意。
ニキビができたり皮膚が炎症を起 こした場合、生活やスキンケアを見直しても改善しない場合は、すみやかに皮膚科を受診すること。
こうした赤みは、皮膚炎がおさまれば何年もかけて薄くなることが多いですが、どうしても気になる場合はレーザー治療を行うと薄くなることがあります。
② 柴外線
紫外線の影響で、毛細血管が開くことがあります。
パウダーファンデーションで正しい紫外線対策を。
③ こする、たたくなどの刺激
こすったりたたいたりという刺激を皮膚に与えると、一瞬赤くなりますが、それを繰り返していると赤ら顔になることがあります。
冷水をかける、熱い蒸しタオルをあてるなどの急な温度変化も赤ら顔の原因に。
刺激で皮膚が赤くなるのは血管が開くためですが、その刺激を長年繰り返すと、血管が開いたままになってしまうことがあります。
サウナや熱いお風呂、飲一酒などで顔が赤くなることも、あまり常習化すると赤ら顔につながっていきます。
早めに気づいて刺激を加えることをやめれば赤みは自然にひいていきますが、あまり長期化したものはなおらなくなることがあります。
④ 肝臓などの内臓疾患
肝硬変があると毛細血管が開きやすくなるなど、内臓の病気で赤みが出る場合もあります。
⑤ 加齢
加齢で血管が弱くなり、開いて赤ら顔になる人がいます。
①と③は自然経過で赤みが薄くなることが期待できますが、それ以外は自然になおることはあまり望めません。
また化粧品などのスキンケアで改善するのは不可能に近いこと。
化粧品で血管を閉じることはできないからです。
どうしても赤みが気になる場合は、レーザー治療が有効です。
赤みに効く専用のレーザーで、赤あざの治療に用いるものと同じタイブの機械を使います。
赤ら顔の治療には保険は適用されず、費用は5万円くらいからになります。
赤ら顔に関して知っておくべきこと
① 美白コスメは効かない
美白成分はメラニンを減らすもの。
赤みはメラニンではなく血液の色なので、美白コスメは効きません。
美白というとなんでも漂白してくれると思う人がいますが、メラニン以外の色には効かないのです。
② 温めると赤みは増す
前述した5タイプの どの赤ら顔も、暖房にあたる、お風呂に入るなどの温めることをすると、一時的に赤みが増します。
体温が上がると血管がさらに開くためです。
赤ら顔はすべてそういうものであり、また脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚炎の赤みも、温めると一時的に強くなります。
だからといって、気にして冷やしたりすると、皮膚に負担になってさらに赤ら顔を悪化させるので、気にしないほうがいいでしょう。