環境や性格も症状を左右する
この時期の不調のあらわれ方には、個人差があります。
不調を強く訴え、病院に行かなくてはならないほどつらい人が買いる一方で、ほとんど不快な症状を感じないまま、閉経を迎える人もいます。
こうした個人差が生じる要因としては、一つにストレスがあげられます。
ストレスが多いと、更年期症状が強く出やすく、さらには、更年期障害になりやすいといわれています。
40歳以上の世代は、子どもの受験や就職、独立、夫との関係や最近では夫のリストラ問題、義父母や自分の両親の病気や介護といった、自分だけでは解決できないさままな問題を抱えています。
また、自分自身のことについても、近所づき合いや友人関係、仕事をもつ女性であれば、仕事の責任やプレッシャー、職場の人間関係などに頭を悩ませることもあるでしょう。
こうした、環境要因と呼ばれるいろいろな問題がストレスになると、脳を通じて自律神経やホルモンにも影響を与え、カラダの変調につながります。
また、環境要因には、普段の生活が不規則だったり、食生活の乱れ、あるいは過労や睡眠不足といったことも含まれ、要因が過度になると症状を重くすると考えられています。
さらに、よくいわれるのが、性格が与える影響です。
医学的には気質要因といい、いわゆる几帳面で完壁主義の人が更年期障害になりやすいとされています。
反対に、もともとあまり物事を気にしない性質で、前向きな思考の人は症状が出にくい傾向があります。
もちろん、耐えられないほどつらい症状で悩んでいるときに、前向きに考えること自体、なかなか難しいものです。
「ニワトリが先か、卵が先か」の議論に似ていて、神経質だったり、自分を追い込むタイプの人だからこそ、症状がつらくなり、前向きになれずに、さらに症状を悪化させるという、「負のスパイラル」になりがちです。
「もともと、そういう性格だから、仕方がない」などとは思わずに、このスパイラルを断ち切るためにも、完壁主義な人は「抜く」ことを覚えるなど、40歳からの不調を逆手にとって、自分自身を変えるきっかけにしてほしいと思います。