クラミジア(性器クラミジア感染症)は日本で最も多い性感染症で男性の場合は5割、女性の場合だと8割もの感染者がいる割合のようです。
クラミジア感染症の報告では10代後半の18歳から19歳の女性の10人に3人がクラミジアに感染しているといわれています。
また、20代では20人に3人という高い確率で感染しているとのことです。
クラミジアはもっとも多い性感染症として有名です。
そして患者数は国内だけでも100万人を超えるほど感染しているといわれています。
目次
クラミジア感染症の感染経路
クラミジア感染症の原因の多くは、性的接触により精液・膣分泌液・血液・唾液と言った体液で感染します。
プールや大衆浴場など、性行為以外の場で感染することはありません。
感染者との粘膜レベルでの接触や、分泌物を介して感染します。
また、感染力も非常に強く、感染者との性行為では50%以上の確率で感染するほど感染しやすい病原体です。
しかし感染しても無症状、もしくは目立った自覚感覚がない為放置される場合が多いです。
クラミジアで注意が必要なのは症状に気づかないまま放置してしまい、多くの人に感染させてしまうケースが多いことです。
クラミジアは自覚症状がない感染症
女性の感染者の5人に4人までが自覚症状がありません。
たとえ症状が出ても、わずかにおりものがあったり、不正子宮出血や下腹部痛が出る程度で、感染をそれと自覚出来ないことが殆どです。
クラミジア感染症を放置しているとどんな症状になるのか?
男性の場合
尿道から水っぽい分泌物がでたり、尿道のかゆみ・違和感・不快感または排尿時に軽い痛みなどを認める場合もあります。
また、尿道炎の悪化になり排尿時の痛みや白い膿などが現れるようになります。
この段階で感染を疑って治療を受けるのが基本なのですが、放置しておくとクラミジアがさらに体の内部にまで進行していきます。
そうなると尿道を通して深部にまで達し、前立腺炎や副睾丸炎といった症状を起こします。
睾丸に触れてみて痛みや違和感を感じるようになった気をつけましょう。
また前立腺炎の場合、残尿感や下腹部の不快感といった症状が見られるようになります。
女性の場合
おりものの増加、排尿時や性交時の痛み、下腹部の痛みまたは不正出血などを認めますが、80%近くの人がまったく症状を感じないともいわれています。
男性よりも症状が経度であるが合併症は深刻。
無症状である場合が多く、卵管障害や卵管性不妊症が判明して、はじめて診断されるケースもあります。
女性がクラミジアに感染して一番怖いのは、自覚症状がないまま子宮頸管の炎症が子宮内膜、卵管などに広がり、子宮外妊娠や不妊の原因になること
クラミジアが卵管にまで侵入すると、炎症による癒着(組織同士がくっつくこと)で卵管が変形したり、完全に塞がってしまうことがあります。
そうなると排卵後に卵子を取り込むことができなくなる「ピックアップ障害」を起こしてしまい、不妊の原因となってしまう
病原菌は子宮の奥まで侵入するすることで、
クラミジアを放置すると子宮頚部から腹腔内へと進展し、子宮付属器炎や骨盤内炎症性疾患も発症します。
ほとんどの骨盤腹膜炎は、細菌感染による骨盤内の炎症が拡大することで起こります。
最初は子宮頸管炎に始まり、次に子宮内膜炎を起こし、最後に腹膜に到達します。
そのため、子宮頸管炎や子宮内膜炎の原因が、骨盤腹膜炎の原因になります。
炎症を引き起こすのは、クラミジアや淋菌に感染する性行為感染症の場合がほとんどです。
クラミジア感染症は妊娠や出産に悪影響を及ぼす
妊婦がクラミジアに感染し、治療をしないまま出産してしまうと、産道をとおして新生児がクラミジアに感染する場合があります。
新生児がクラミジアに感染すると新生児結膜炎や肺炎を引き起こす可能性があり、最悪の場合は死亡するケースもあります。
クラミジアに感染している場合のリスク
クラミジアに感染すると、膣内の抵抗力が下がってほかの病原菌が進入しやすくなります。
クラミジアの感染中はHIVや淋菌を併発する危険が3~5倍高いと言われています。必ず一緒に検査をする事をお勧めします。
クラミジアの検査と治療法
女性は婦人科、男性は泌尿器科を受診し検査を希望します。
採尿や採血、女性の場合膣の分泌物を採取して検査します。
血液による抗体検査:今回の感染が分かる他に過去の感染があったかどうかわかる。
培養検査:綿棒などで咽頭、尿道、膣分泌液を擦ってとり、培養する。
クラミジア感染症は早期治療で何の問題もなく完治します
治療法は、クラミジアに効果のある抗生物質を1日~1週間ほど服用します。
数日の内服で1週間程度の効果があるが内服し忘れると効果が下がってしまいます。
再検査して結果が陰性になっていれば問題はありません。
骨盤付属器炎が起きているときは点滴治療になる事もあります。
クラミジア感染症の治療はパートナーと一緒に行う
自覚症状がある場合は、早期に医療機関へ行くことをお勧めします。
自分が完治していてもパートナーが感染したままの状態では、またうつされてしまいます。
感染しても無症状の人は治療機会を欠くとともに、次の感染源になることや、感染力が強いことがあげられます。
感染者との1回の性交渉で淋病では約30%、クラミジアでは50%以上において感染が成立します。
そのためパートナーの感染がわかったときは、たとえ無症状でも医療施設を受診し、ペアで治療することが必要です。
クラミジア感染の予防にはコンドームの使用、感染が疑われる相手との性的交渉を避けるなどになります。
自宅でできるクラミジア感染症の検査キット
クラミジア検査キット(StrongStep)は、女性の子宮頸部と男性の尿道部におけるクラミジア・トラコマチスの感染を自宅で簡単に検査出来るキットです。