疲れているときは大切な人に会わないほうがいい
恋愛では、お互いの良質なエネルギーをピンポンのようにやりとりするのが一番です。
二人のそれぞれの心の中から「本日の気持ち」というようなものを持ち寄って、それをお互いに交わし合うのが恋愛だと思うからです。
イメージしてください。
ここにあなたの心があります。
その中には、いくつもの気持ちがあります。
愛する気持ちもあってその中にまた、いくつもの気持ちがあります。
楽しい気持ち、哀しい気持ち、ちょっと嫉妬している気持ちなど。
大きな部屋の中に、いくつもの小さな部屋があって、その一つひとつにいろいろな気持ちが入っているのです。
その一つひとつの部屋は、エネルギーで演たされていなくてはいけません。
哀しむときも、精いっぱい哀しむことによって、その哀しみを忘れていくことができるからです。
嫉妬も同じです。
とにかく気持ちそのものが元気いっぱいでなくてはならないのです。
それが良質なエネルギーなのです。
「全なる精神は健全なる肉体に宿る」とローマの詩人ユウェナリスがその詩集「諷刺詩集」で語っています。
恋愛もまさに、そうなのです。
健全なる恋愛は、健全なる気持ちに宿るのです。
しかし、もし、仕事や悩みごと、あるいは睡眠不足などで、あなたの心身がくたくたに疲れていたらどうでしょう。
相手に自分の気持ちを伝えることもできないでしょう。
エネルギーを交換するどころではありません。
ため息ばかりついて、相手の人に心配ばかりかけて、二人のバランスがとれません。
ですから、疲れているときには恋人に会うべきではないのです。
疲れている相手を目の前にすれば、いたわってあげたいとか癒してあげたいという感情ももちろん生まれるでしょう。
しかしそれも最初だけで、どちらかが疲れていると、それは必ず相手に伝染するのです。
そして、けんかをすることになるのです。
よく思い出してください。
どちらかが不機嫌なとき、最後には必ず言い争いになっていませんか?
もし相手が倒れて口もきけないような状態であれば、もちろん助けに行くべきです。
それほど深刻な状態なら、こちらは最初からそれを理解して、助けることに徹することができます。
相手に何かを求めたりもしません。
でも、「疲れている」という中途半端な状況の中には、二人を引き裂く多くの菌がただよっている、と思ってください。
「本当の優しさ」ってどういうこと?
ここでは、自分と相手、それぞれの対処のしかたを書きましょう。
まずあなた自身が疲れている場合です。
みなさんは疲れというものにあまりにも無頓着になっているようですが、これはインフルエンザや伝染病と同じぐらい危険なものだと認識するべきです。
疲れは周りの人たちの気持ちをむしばんでいくものです。
捲怠感をあたりに振りまいてみんなのやる気や自信を奪っていくのです。
そんな状態で無理して人に会うなんて、とんでもないことです。
もしあなたがそんなときに恋人と会う予定があったら、キャンセルすべきです。
たとえ相手が誘ってきても、 「疲れたら会わない」を守ったほうがいいのです。
次に、相手が疲れている場合です。
そんなときは電話で対処しましょう。
わずかな時間でも直接会って励まそうなどと考えたら、無理が生じて、間違いなくいつかその影響が出てきます。
「相手の会社の近くのカフェでお茶を飲むぐらいならいいだろう」と考えてはいけません。
最大の優しさは、その日は会わないと連絡することです。
メールは、こんなときこそ活用すべきでしょう。
優しさや思いやりを示そうと思うなら、電話かラインなどやメールで、「今日は帰ってゆっくり休んでね」と告げることです。
あなたの恋人は、天文学的な確率で、奇跡的に出会った人なのです。
これからの長いおつきあいを考えれば、会えない一日二日など、瞬きする程度の時間です。
いい環境で、素敵な二人をつくってください。
悪い因子は、どんなものも寄せつけないことが大切です。
そのぐらい、二人の間にはデリケートな風が流れているのです。
疲れは、恋愛にとって最大の敵です。