むくみを軽く見てはいけません
私たちの体の約60~70%は水分です。
健康な体では、水分の摂取、排池、再利用が円滑に行なわれているので、口からの水の摂取量に関係なく、体内の水分量は常に一定量に保たれています。
しかし、体の一部に問題があると、水分代謝が乱れ、むくみという症状が起こってきます。
目次
むくみが起こる代表的な病気は、腎臓系の疾患です
朝起きたとき、まぶたがはれほったく、そのうえ疲労感が激しいという症状が続いたら、腎臓病を疑ってみてください。
まぶたからはじまり、病気がすすむにつれ次第に全身にむくみが起こってきます。
心臓病の場合は、上半身よりも、まず下半身にむくみが起こり、次第に全身に現われます。
肝臓病の場合は、目もとにむくみが現われ、眼球が黄味を帯びてきます。
また、血圧の高い場合や、低い場合も、目もとにむくみが出ることがあります。
このように、むくみから、体にひそむ病気を知ることができる場合もあるので、「むくみぐらい」と軽く考えないでください。
朝食、昼食はひと味うすめ、タ食はふた味うすめの味つけで
さて、何かの病気が原因で、むくみが起こっている場合は、まずその病気を治すことですが、特別の病気がないのに、目もとや手や脚にむくみを感じる人は、食事のとり方に問題があります。
その原因は水分代謝や老廃物代謝にあるのですから、それを放っておけば、先に挙げた病気を誘発させることにもなりかねません。
そこで、むくみやすい人は、まず塩を減らした食事を心がけることです。
ナトリウムは、水分をかかえこむ性質があるので、塩分を多くとる人ほど、体内の水分量を増やします。
摂取する水分の量を減らさなくても、ナトリウムを減らせば、余分にとった水分は、スムーズに排池されます。
健康体の人で、一日の塩は10グラムが適量ですから、 むくみやすい人は、この量より減らすことです。
とくに、活動量の少なくなるタ方に塩を多くとると、体内にためこむ量が多くなり、翌朝、むくみの原因になります。
一日のうちで、夕食をいちばんうす味にすることです。
そして塩分量が多くなりがちな汁物は朝食や昼食にとり、夕食はできるだけとらないようにするか、とっても少量にすることです。
果物のとり方も、むくみに影響します
果物や生野菜にはカリウムが多く、利尿作用やナトリウムの排池を高める働きがあるので、血圧降下やむくみをとるのに、基本的にはよい食品です。
ただし、夕食後に多量にとると、腎臓の負担となります。
つまり尿を排しないまま寝ることで、腎臓に負担をかけることになり、むくみの原因になるのです。
また果物、生野菜は体を冷やす作用があるので、気温の下がる夜に多くとれば、冷えから腎機能を低下させます。
夕食後に食べてもよい果物としては、整腸作用のあるりんご少量や、タンパク質分解酵素の多い、いちじくやパパイアです。
冬など、こたつに入りみかんを10個以上も食べる人がいますが、腎臓に大きな負担をかけ、むくみの原因にもなるので注意しましょう。
アルコールを飲むとき当然むくみの原因
さて、以上のような注意の他、アルコールの飲みすぎや、寝る前にたくさん食べたり、飲んだりすることは、当然むくみの原因になります。
アルコールを飲むときは、塩辛いつまみを極力避けるようにしてください。
減量する場合も、まず、むくみをとる食事を心がけることが大事です。
また、便秘もむくみを招くので、便通を整えることです。
むくみが起こることは、代謝機能の低下で老化のはじまりです。
減塩を心がけ、過食や寝しなに食べる習慣を改善して、バランスのとれた食事を心がけてください。