相手を気分よくさせる「ほめ方」をしていますか?
人をほめるのは、案外難しいものです。
なんでもほめればいいというものではなく、相手が喜んでくれるように、的確にほめなくてはならないからです。
そんなことを言われると、何も言えなくなってしまう、と言う人もいるかもしれません。
では、相手のどこをほめたらいいのかわからないときは、まず自分自身のことを考えてみてください。
自分がどこをほめられたらうれしいのか、どこをほめられたらいやなのかを考えるのです。
そうして考えれば、自然と答えは出てくるはずです。
何か特徴的な部分をとり上げて、おおげさにほめる人がいますが、人にはほめてほしいところと、逆に、ここだけはほめてほしくないというところがあります。
たとえば、天然パーマの人に「ふわふわした素敵な髪!」とか、シャープな顔だちの女性に「顔だちがはっきりしていますね」とか。
しかし、実はそういうところに、人知れずコンプレックスを抱いている人も少なくないのです。
そこだけは「人には言われたくない」という部分です。
自分のことをよく考えてみてください。「ここはあまり人には見てほしくない」と思うところがあるのではありませんか?
そんなところをほめられたら、皮肉にしか聞こえませんよね。
「人がほめないところを」と思ってほめたことが、たまたま相手の秘かな自信のあるところだったら効果がありますが、そうでなければ、喜ばれるどころか、逆に相手は反感さえおぼえるでしょう。
多くの人が触れないところは、あなたもほめないほうがいいのです。
ですから、ほめるところは、みんながほめるところに限ります。
これは、人に流されましょうと言っているのではありません。
たとえば、あなたがきれいな指をしているとしましょう。
みんなが「きれいな指ね」とほめてくれます。
ある人にほめられたら、もうほかの人にはほめられなくてもいい、と思いますか?
そんなことはないですよね。
同じところを何度ほめられてもうれしくなりませんか?
同じように、出会う人すべてから「優しい人ですね」とほめられて、もうたくさんだとは思わないでしょう。
誰だって、みんながほめるところをほめられるとうれしくなって、「それがわたしなんだ」とあらためて自分自身を振り返ったりしているのです。
ほめるときには、みんながほめるところをほめるのが一番なのです。
「これをほめてあげたら、この人はもっと魅力的になるのに。こんなことを言ってあげたら、この人は表情がもっと素敵になるのに」と考えるのは、まったくのおせっかいです。
あなたのおせっかいが、逆にその人を傷つけることだってあるのです。
まるで、「自分だけが本当のことを言う人間なのだ」と思わせるための手段のようになってしまいます。
相手の人の魅力を見つけたとしても、それを口にする前に、慎重になる必要があります。
可もなく不可もなく、最大公約数的なほめ方が、一番いいのです。
あなたが発見したその人の魅力は、即座に口にしないで、しばらく心の中にしまっておいてください。
そしていつか、その人ともっともっと親密になって、相手のほうから「私のここってどう思う?」と質問されたら、そのときにほめてあげてください。
こちらが言わなくても、当人は、自分の特徴をよくわかっているはずですから。
男はこんな「一言」を待っている
では男性はどんなふうにほめればいいのでしょう。
ほめ方ひとつであなたの好感度を高め、かつ男性を魅力的に変えることができます。
時代とともにほめ方も変わってきていて、いわゆる「男らしさ」をほめるのは、今はちょっと違う感じがします。
むしろ、「あなたはさわやかですね」というふうに印象をほめたほうが、喜ばれるように思います。
そして、おつきあいが深まってから徐々に男性らしさを植えつけるようなほめ方をして、将来は頼れる男性に育てあげていってください。
彼の男らしい部分や頼れるところを見つけたら、すかさずうんとほめてあげてください。
笑い話のようですが、本当に近頃、男性の女性化はすさまじいスピードで進んでいるようです。
これがいいことなのか悪いことなのかはわかりません。
でもこれが現実なのです。
あなたのほめ方が、その男性を育てるのです。
男性は女性を愛して、そして女性に最初はあたりさわりなく優しく、しだいに励ますようにほめられて、一歩一歩成長していくのです。
いずれにしても、ほめ方を心得ている女性は、同性からも異性からも好かれます。
これだけは間違いありません。