除毛トラブルをこじらせ、症状を悪化させて受診する患者さんが、あとをたちません。
毛穴が赤く炎症を起こし、膿をもっていたり(毛嚢炎)、かゆくてかいてかさぶたがあちこちにできていたり かなりひどい状態で受診される方も多く見られます。
肌の赤みやかゆみの原因が除毛であることに、気づいていない人が多いことです。
除毛トラブルの多くが、処理してすぐにあらわれるとはかぎりません。
数週間たって、処理した毛がまた生えてくるときに、そこが次々に赤く炎症を起こしたりかゆくなったりするのです。
処理をして翌日すぐに炎症が起こるならば、除毛が原因だと気づきやすいのでしょうが、実際にはこのような時間差のあることが多いために、原因に気づかず、間違った除毛を繰り返してしまうのです。
また、同じ除毛方法を続けていて、はじめはトラブルにならなかったのに、年繰り返すうちにトラブルを起こす場合もあります。
それはなぜか。まず、トラブルは蓄積します。カミソリで剃れば肌の表面は傷つき、抜けばちぎれた毛根部分は傷ついています。
除毛を繰り返すということは同じ部分を繰り返し傷つけるということ。
自分の皮膚を切って傷つけて、なおってはまた傷つける・・・
それを何年も繰り返すことを想像してみてください。
そのうちに回復力が下がって傷がスムーズになおらなくなり、赤みやかゆみが出るのです。
あとは当然、年齢的なこともあります。
高校生のころから同じように除毛していた、などという人が多いですが、20代でも、高校生のときに比べれば回復力は落ちます。
同じ除毛方法を続けているから結果も同じとはいえないのです。
「そんなに早くから、回復力が下がるの?」と思う人は、試しに思いきり日焼けしてみてください。
日焼けあとが1年で消えるのは、10代までのこと。
20代で真っ黒に焼くと、あとがなかなか消えないばかりか、シミが必ず残ります。
「同じことをしているから、結果も同じである」と思うのは間違い。
あなたの体は、昨日と今日でさえ、同じではないのです。