女性にとっての便秘は悩みの一つです。

特に便秘になるとよく聞くことがあります。

それは間違いなのか正しいのか?

みてみましょう。

 

水を飲むと便通が良くなる?

軽度の便秘にはある程度有効ですが、カチコチにかたくなった便秘は水を飲んでも解消しません。

便秘で便がかたくなるのは、腸の蠕動(ぜんどう:収縮波を生み出す運動)が弱いため。

大腸は水を吸収するので、便が腸の中に長く停滞するうちにひからびてしまっているのです。

ならば水を飲んでやわらかくするといいように思うかもしれませんが、そう簡単にはいきません。

腸に達した水はすみやかに吸収されて血液中に入り、尿として排池されてしまいます。

干した昆布に水をかけてもやわらかくなるものではなく、数時間浸すことが必要ですね。

それと同じで、カチコチにかたくなった便は、そこを水が通過するだけではやわらかくならないのです。

そもそも便がかたくなるから便秘になるのではなく、便秘するから便がかたくなるわけです。

朝起きて水を飲むと(水でなくても何らかの水分をとると)腸を刺激するので便通がつくということはあります。

これは、軽度の弛緩性の便秘には有効です。

水で改善しない場合は、食事の見直しなどの生活改善が必要です。

アイスコーヒーのような冷たいものをあえてとることで腸を刺激して便通をつけている人もいますが、長年それを続けていると、腸が冷えてかえって便秘になることがあります。

女性は特に腸が冷えている人が多いので、むしろ温めることで改善していくことがあります。

 

便秘をすると太りやすくなる?

便が長く停滞すると、どんどん栄養を吸収して太ると思う人がいるようですが、そういうことはありません。

栄養の吸収は小腸で行われます。

便秘とは大腸に便が居座ることをいいます。

大腸では栄養を吸収しないので、便秘しても余分に栄養を吸収することはありません。

そもそも栄養を吸収しつくしたカスが便であり、そこから先、大腸で水を吸収しているのです。

大腸はゴミの集積所であり、捨てられたゴミから水を抜いて圧縮して捨てる働きをしているのですが、送り出すことが遅いと、水を吸収しすぎて便がカチコチになります。

 

沢山食べたから便通が良くなる?

「便は毎日出るけれど、食べたわりに出るものが、少ないから、便が残っているのではないか、つまり便秘なのではないか」と言う人がいますが、そういうことはありません。

食べたものが何でも便になるというわけではなく、繊維質のものを食べれば便は多くなり、肉に偏れば、便になる成分が少ないので便は少なくなります。

よって、たくさん食べれば便がたくさん出るというものではありません。

便秘かどうかは便の量で判断するものではなく、スムーズにバナナ状の便が出ること、残便感がないことがいいお通じの目安です。

反対に毎日便通があっても、かたくコロコロで残便感があるようなら、便秘といえます。

 

便秘薬を飲んでばかりいるとよくない?

便秘薬を使うとそれに頼るようになってしまい、薬なしで排便できなくなるとよくいいます。

ある意味それは正しいのですが、重度の便秘の場合は薬を使わないとどうにも改善できない場合があります。

規則正しい生活を送り、食べ物に気をつけ、さらに運動をとり入れてもどうしても便秘になるという人の場合は、ある程度薬を使うのもやむをえないでしょう。

便秘薬を使う場合は、下痢にならないように気をつけて。

下痢するようなものは強すぎるので、腸に負担をかけて、より嬬動が弱くなることがあります。