「ダイエットしすぎで貧血に・・・」を防ぐには貝がいい

女性には貧血が多い。

とくに、若い女性にそれが目立つ。

女性の場合、生理があるので、男性より鉄分を2割ほど余分にとる必要がある。

それがダイエットでタンパク質摂取量が不足していたり、鉄分の多いレバーなどを嫌いだと敬遠していたりしたら、貧血は治らない。

 

レバーでさえ嫌いな人は、鉄分がさらに多いハツ(心臓)など、ますます好まないだろう。

ところで、ダイエットをしている若い女性には味覚障害も増加している。

これはダイエットによる栄養の偏りや、特定の成分の不足が原因である。

その特定の成分とは亜鉛である。

亜鉛は、細胞の形成にとって大事な栄養成分で、これが不足すると、正常に新細胞が形成されない。

 

亜鉛不足はインスタント食品に偏った食事からもひき起こされる。

多くのインスタント食品には、リン酸塩が添加されている。

リン酸塩には変色の防止、粘性や保湿性を加え、冷凍による品質上のトラブル防止といった各種の利点があるからである。

それも、単なるリン酸塩ではなく、分子の大きいポリリン酸塩が多く使われる。

 

これは食品添加物とはいえ、体には吸収されないから、直接には無害である。

しかし、ポリリン酸塩はその性質として、鉄や亜鉛などの無機質と結合しやすい。

しかも、吸収されないので、結合した無機質は、そのまま排世されてしまう。

その結果、鉄や亜鉛などの不足が起こるのである。

 

とくに、味覚細胞は、入れ替わりが速い。

そのため細胞形成に必要な亜鉛が不足すると、新しい味覚細胞ができない。

それで味覚障害が起こるのである。

そこで有効なのが貝類である。

カキをはじめとして、アサリ、ハマグリなどは鉄や亜鉛の含有量が非常に高い。

 

カキの変わった食べ方として、お好み焼きに入れると、卵の鉄分とともにカキの鉄分を有効に利用できる。

お好み焼きの場合、まずカキを鉄板で焼いておき、これにお好み焼きの種をかぶせて普通に焼いていくのだ。

カキから味がしみ出て大変おいしく食べられる。

カキにも十分に火が通るから安心だ。

カキは冬場が旬だが、アサリなら年中出回っている。

それに、生でなくても、缶詰なら結構安価に入手できる。

アサリの缶詰は砂抜きの心配もないし、常備しておけるので、非常に便利である。

また、生のアサリも、最近は砂抜きしてあるものも多いので、洗うだけでそのまま使える。

 

洗ったアサリを殻ごと鍋に入れ、日本酒とパターを加えて蓋をし、火にかけて加熱すると、簡単にアサリの酒蒸しができあがる。

これは、電子レンジでも可能である。

スパゲティ・ボンゴレの「ボンゴレ」とはアサリのことであるが、パスタと一緒なら量的にもかなり食べることができる。

この他、握り寿司で貝類を積極的に食べるのも、鉄や亜鉛をたくさんとる手段の一つである。

アワビは高価だが、ホッキ、ミル、貝柱など安いものもあるので、結構楽しめる。

なお、貝類のおいしさは、他の食品のうま味には少ないコハク酸が多いことにある。

鉄を補えるレバーの苦手な人でも、貝類ならたいてい大丈夫である。

食品にはいろいろな成分があるから、あるものが苦手でも、代替できるものを選ぶことができるのだ。

 

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