私たちは呼吸をして生きていますが、吸った酸素のうちの約2パーセントが活性酸素に変化します。

活性酸素には、外敵から体を守る重要な働きがあります。

ところが、体内で大量発生すると体を攻撃しはじめるのです。

活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。

体は、活性酸素から受けたダメージを修復する機能を持っていますが、現在の環境は活性酸素を発生させやすいため、修復機能が追いつかなくなっています。

人間は、活性酸素を消去する酵素も持っています。

活性酸素に結合して毒性の低い物質に変えます。

しかし、この消去酵素は、加齢にともなって減少します。

 

消去酵素はたんばく質を材料とし、亜鉛、銅、マンガンなどの補助によってつくられます。

これらの栄養素を意識してとり入れる必要があります。

とくに、亜鉛は不足しがちです。

亜鉛はカキ(射牡螺)、レバーに含まれています。

40歳前後からは、消去酵素の減少を抑えながら、消去酵素の代わりになる抗酸化物質も、積極的にとるようにしてください。

必要なのは、ベーターカロテン、ビタミンE、ビタミンC、ポリフェノール、フラボノイド。

なかでも、緑黄色野菜の王様と呼ばれるニンジンは、ベーターカロテンが豊富なうえ、食物繊維、ビタミンB、ビタミンCのほか、鉄分、カリウム、カルシウムなどのミネラルも多く含まれています。

 

ニンジンの効能を、手軽に、しかも最大限に高める食べ方があります。

生のスティックにして、オリーブオイルと塩をつけて食べるのです。

ベーターカロテンは油といっしょにとると、体への吸収力が上がります。

車の排気ガスなどによる大気汚染、紫外線、添加物の入った加工食品、仕事のストレス・・・活性酸素大量発生の原因です。

喫煙やお酒の習慣もそうです。

少しの程度の差こそあれ、現代人は、例外なく活性酸素のダメージを受けています。

活性酸素による体の酸化は、細胞レベルで起こります。

女性にはありがたくないシミ、ソバカスは、その代表例です。

体は、60兆個もの細胞が集まってできています。

その細胞一つひとつがどのような状態であるかが、体全体に大きな影響を与えます。

細胞が活性酸素の攻撃でダメージを受けているか、いきいきと活動しているか。

この違いが、「ずっと若い人」「ぐっと老ける人」の違いとなって現れるのです。