便秘は「食」の力で改善!

先進国で売られている薬の上位は、風邪薬と便秘薬だそうです。

先進国で便秘症が増えたのは、穀物を精製しすぎるため、食物繊維の摂取量が減ったからです。

そのため便の量が少なくなり、食べたものが大便として排池されるまでに、四十八時間から七十二時間もかかっているということです。

便秘によって便の腸内停滞時間が長くなると、大腸ガンの発生に結びつくといわれています。

日本でも子供から大人まで便秘症が激増し、ついに女性がかかるガンのトップが胃ガンを抜いて大腸ガンとなりました。

快適な排便があることは、健康を保つためにもっとも基本的な条件です。

ぜひとも薬に頼らず、便通を整える努力をしましょう。

腸に特別の問題がない限り、食生活「や生活のリズムを整えれば便秘は必ず治ります。

 

二日に一回の便通でも、残便感がなければ便秘ではない

食べ物が口から入って、ほぼ二十四時間後に直陽へ達し、排便されるのが正常な排便のリズムです。

しかし個人差があるので、二日に一回の排便でも便量が多く、排便後、残便感がなければ、毎日便通がなくても便秘ではありません。

安易に便秘薬は使わないことです。

逆に一日一回排便していても、お腹が張ったり、すっきりしないという残便感のある場合は、宿便が常時腸内にあるので、便秘症ということになります。

また何日か便秘した後下痢するという場合も、便秘に属します。

旅行などで生活のリズムが変わって、一時的に便秘になり、生活が戻ると治るという場合は、常習性の便秘ではないので、神経質にならないほうがよいでしょう。

健康上問題になるのは、常習性便秘で、これは腸管を支配する神経の機能障害によるものです。

|腸の運動が弱いために起こる便秘を弛緩性便秘、あるいは緊張減退性便秘といい、反対に腸がけいれん的に緊張しすぎて便秘になる場合を、けいれん性便秘といいます。

弛緩性便秘とは、大腸の筋肉がゆるんで、嬬動運動がスムーズに行なわれなくなった結果、便が大腸内に滞留してしまう状態を指します。

高齢者や中年以降のお産を経験した女性、最近は若い女性にも急増しているといわれています。

一方、けいれん性便秘は、精神的なストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れ、大腸の筋肉が緊張し、けいれんを起こしてしまうため、排便がうまくできなくなった状態を指します。

それぞれ食事療法は違いますが、この二つが入りまじった症状の便秘の人も少なくありません。

原因はどちらであっても、便秘を治すには、次のことを改善していくことが大事です。

 

◆便秘になる一番の原因は?

食べ物の残りを直腸へ送る胃・大腸反射は、朝食後にもっとも強く起こり、排便を促すことをご存知ですか?

そのため朝食抜きの人は、胃・大腸反射が弱くなり便秘になりやすいことが指摘されています。

とくに朝食は弛緩性便秘に有効ですが、けいれん性便秘の場合も食事のリズムを整えることが肝心なので、どちらの場合も、まず朝食をきちんととることです。

◆朝食後にトイレに入る習慣!

朝食前にきちんと排便のある人もいますが、このような人は、腸の働きが健全です。

便秘の人は、朝起きてすぐにまずコップ一杯の水をゆっくり飲み、朝食をとり、そして、一日の行動開始前に、トイレに入る習慣をつけてください。

便意をもよおさない場合も、トイレに入ることです。

排便が失敗に終わっても翌日も、そして翌々日も続けることです。

3~4日失敗に終わったとしても、あきらめずに続けてみましょう。

長年の習慣的な便秘が、たかだか3~4日生活を改善したからといって、たやすく治るものではありません。

「朝は時間がなくて、そんなことはとてもダメ」という方は、一生便秘薬との縁は切れません。

そして次第に強い薬を必要とし、ますます腸管を支配する神経の働きが低下していき、自分の力で排便する能力を失っていきます。

健康のためには、今より30分早起きして、時間をつくることです。

朝食は、ごく簡単なものでよいのです。

たとえば、豆乳と果物とか、果物のヨーグルト和え、といったものでよいですから、食べる習慣をつけてください。

どうしてもトイレに入る時間がとれないようであれば、まず朝食だけは食べる習僧をつけ、そして時間のできたときに、ゆっくりトイレに入ってください。