ちょっとずつ、確実に、リバウンドゼロのやせ方
「ずっと若い体」をつくる習慣、基礎代謝力の高め方を、ご紹介します。
その前に、「ダイエットの不思議」について、お話ししておきましょう。
多くの人がおちいりがちな落とし穴だからです。
早い人で30代半ばを過ぎるころから基礎代謝力の低下、女性ホルモンの分泌の減少で、腰周り、お腹周りに脂肪がつきはじめます。
その際に、「とりあえず」と、減食ダイエットにトライする人が少なくありません。
しかし、食事を制限する減食ダィエットは、かえってやせにくい体をつくります。
基礎代謝力を低下させるからです。
運動をしないで減食ダイエットだけをすれば、脂肪だけでなく筋肉量も落ちてしまい、基礎代謝力も低下してしまうのです。
ある程度、体重が減ったからもういいだろうとか、お腹がすいてつらいとかで、ダイエット前と同じように食べはじめるケースも、多々あります。
これは最悪のパターンです。
それまでのダイエットで基礎代謝力が落ちているのですから、とり入れたエネルギーは以前にもまして余ってしまいます。
女性ホルモンの分泌も減っているので、筋肉が落ちた分、体はエネルギーを皮下脂肪ではなく、内臓脂肪として溜め込みます。
これが、いわゆるリバウンド現象です。
そして、お腹が出てこない「隠れ肥満」の始まりです。
短い期間で体重を減らすと脂肪細胞のサイズが小さくなり、その細胞から分泌されるレプチンという物質の分泌が減ります。
レプチンは食欲を抑え、エネルギーの消費を高めて肥満のプレーキになる働きがあります。
必要とするエネルギーが得られない体は脳が生存に危機が生じたと判断し、レプチンの分泌を抑えて食欲を増進させます。
だから、急激なダイエットの結果、「もっと太ってしまう」ことが多いのです。
リバウンドしない内臓脂肪の減らし方は、体を動かす習慣をとり入れて、月に1~2キロ、半年で6~10キロという、スローペースを目安にします。
無理をせずに、ゆっくりと減らしていったほうがいいのです。
もちろん、食べる量を急激に減らせば、一時的に体重は激減します。
ですが、人間の体は飢えに対応する能力を備えているので、食べ物の量が減ると、体はとり入れたエネルギー量に応じて基礎代謝力を低下させてしまいます。
エネルギーを使わず、なるべく溜め込むようになってしまうのです。
それどころか、減食ダイエットは筋肉や内臓などの組織を壊し、健康障害をもたらします。
「やせる技術」ではなく、体の中の老化を進める「老ける技術」だったのです。
こうして、見た目は体重も体型も変わらないのに、お腹の中は脂肪だらけという「隠れ肥満女」となってしまうのです。
「若いからまだ大丈夫」などとタカをくくっていると、将来、精神的にも経済的にもゆとりができて、これから人生を楽しもうとなったときに、生活習慣病に襲われることになります。
女性は中年期に入り、更年期を迎える45歳ころを境にして、生活習慣病にかかる人が急増します。
間違ったダイエットにより、内臓脂肪を溜め込んでいる人に多い、と言われています。
無理なダイエットは「百害あっても一利もなし」と心得て、体を動かすちょっとした習慣で基礎代謝力を上げ、少しずつ健康的に内臓脂肪を落としていきましょう。