40代、「女と脂肪の関係」を見直してみよう

「太りやすい体」は「老けやすい体」といっても、体脂肪を目の敵にしてはいけません。

体脂肪には、とくに女性が健康を保つために重要な役割があります。

体内にある脂肪は、種類や蓄えられている場所によって呼び分けられています。

ここでは、三つ の脂肪、「体脂肪」「皮下脂肪」「内臓脂肪」を覚えておきましょう。

「体脂肪」とは、体内にあるすべての脂肪組成の総称。

エネルギーを蓄える役目があり、飢えに備えた体本来の仕組みを支えています。

 

食料が手に入らないときに備えて、体は食事でとり入れたエネルギーを脂肪のかたちに換えて蓄えます。

使うときは節約しながら消費します。

たとえ2、3日、食べられなくても生きられるのは、この機能があるからです。

また体脂肪には、保温・断熱や、子宮などの臓器を守る働きもあります。

内臓を守るクッション材のようなものです。

 

読んで字の如く、「皮下脂肪」は皮膚の下に溜まる脂肪で、10代から20代にかけての若いころにつきやすいのが特徴です。

一方、「内臓脂肪」は内臓の周りに溜まる脂肪です。

40代以降につきやすく、動脈硬化などの生活習慣病に結びつきやすいという恐ろしい側面があります。

いったん生活習慣病にかかってしまうと、体の老化は一気に加速します。

同じ内臓脂肪の肥満でも、やっかいなのは「隠れ肥満」。

見た目は太っていない人が、加齢にともなう女性ホルモン(エストロゲン = 卵胞ホルモン)の減少によって内臓脂肪をつけてしまうケースです。

この隠れ肥満では体重があまり増えず、体型も変わりません。

そのため、内臓脂肪が体内に溜め込まれているのにまったく気がつきません。

生活習慣病にかかってはじめて隠れ肥満だったことがわかる、というケースが珍しくないのです。

隠れ肥満を見抜く唯一の方法は、体組成計で、体脂肪率を測ること。

体全体に占める体脂肪の割合を表すのが、体脂肪率です。

25パーセントを超えると軽い肥満とされますが、11~14パーセント(男性は3~5パーセント)以下だと、正常な健康状態を保つのがむずかしくなります。

標準値は20~25パーセント。

30代・40代の女性の平均体重は53キロですから、標準値(5パーセント)だと、体脂肪の量は約13キロ。

なんと、2、3歳の幼児はどの重さの脂肪が、お腹に入っていることになります。

「13キロも体脂肪がついているのが標準?」

体脂肪は、あまり目の敵にするものではないのです。

体脂肪は、女性ホルモンの分泌を促します。

だから、女性にとって、体脂肪は重要な役割も担っているのです。

 

体脂肪率が21.7~23パーセント以下だと、月経周期がくずれます。

さらに10パーセント台だと卵巣が正常に働かなかったり、出産に差し障りがあったりします。

ですから、基礎代謝力を標準以上に高めながら、体脂肪率を標準値以内に保つ。

これが、「ずっと若い体」をつくるために大切な条件です。

「太りやすい体」は「老けやすい体」だからといって、いきなり過度なダイエットには走らないでください。