女性の丈夫な骨づくりは35歳がタイムリミット!
若い女性のほとんどはダイエットを気にしているようだ。
ダイエットというのは、本来、管理された食事という意味であるが、日本では、やせるという意味で使われることが多い。
とくに女性の場合、すらり、ほっそりとしたプロポーションを目指してダイエットする人が増えている。
しかも、ダイエットする年齢がだんだん若くなり、最近では、小学校の高学年でダイエットをしている子どももいるようだ。
これは、子どもの成長にとって大変な問題で、各種の身体的な問題が出てくるから、気をつけなければならない。
体重がその人にとって多すぎる場合、たしかにダイエットは必要である。
しかし、無理なダイエットをすることは健康に対して決してプラスではなく、マイナスの方が大きい。
通常、健康を維持できる体重減少は、一カ月に2キログラム程度とされている。
一カ月に4キログラム以上の体重減少を行なうと、必ず体に故障が起こるといってよい。
まかり間違えば、疾病につながることも多い。
では、一カ月に2キロ以上の減量を行なった場合、どのような影響が出てくるのだろうか。
まず、無気力感を覚えるようになる。
何をするのにも体が重いといったような、けだるさを感じる。
これは、すでに体に異状をきたしている証拠である。
したがって、この状況が続けば、体がもちこたえられなくなるのは当然である。
また、それまで隠れていた病気をひき起こす要因が、無理なダイエットをきっかけに表に出てくることもある。
ところで、無理なダイエットをすると、タンパク質など重要な栄養素が摂取不足になりその結果、女性の場合、生理が止まってしまうこともある。
生理が止まると、予想しなかったほどいろいろな問題が出てくる。
その一つが、骨からカルシウムが抜けていく「骨粗鬆症」である。
これは、女性特有の現象で、とくに、女性ホルモンの黄体ホルモンと関係の深いことがわかっている。
閉経後の更年期から起こりやすいといわれているが、若くても、生理が止まったせいで、女性ホルモンの分泌が異状をきたすと、急速に骨からカルシウムが抜けていき、骨がすかすかの状態になる。
このような状態でちょっと無理な力がかかると、骨折などが起こる。
しかも、骨のカルシウム密度が低くなっているために、なかなか骨がつながらないといったことも起こる。
この骨粗鬆症が若い年代で起こると、一生その病害を背負っていかねばならない。
その理由は、骨へのカルシウム沈着量は、35歳までが上昇の時期で、それ以上の年齢になると、骨のカルシウムは減少の方向をたどるからだ。
もし、35歳より下の年齢で骨粗鬆症が起こると、骨に対するカルシウムの蓄積量が不十分であるから、その状態で一生を過ごすことになりがちである。
さらに、353歳を過ぎてから、骨のカルシウムが減少しはじめると、通常の人にくらべて大幅なカルシウム不足が生じる。
したがって、若い間に骨粗鬆症を起こした人は35歳以上になると、骨に対する障害がいろいろ出てくることになる。
若いときには、必要なタンパク質など栄養素を十分とるとともに、無理なダイエットをしないことが大切である。
そして、同時にカルシウムの多い食品で、カルシウムを十分に骨に蓄積しておくことが大事である。
また、その際に、カルシウムの吸収と骨への沈着に重要な働きをするビタミンDも十分にとっておくことが大切である。
ビタミンDは主としてサケ、ニシンなど北の海の魚や日光乾燥のシイタケ、キクラゲに多く含まれている。